気管支喘息の検査と治療
2016.09.21
今週は九州に台風が上陸しました。前回お話したように、喘息を発症して受診される方が増えています。今回は、喘息の診断と治療についてのお話です。
どのような検査が必要ですか?
まず気管支喘息を診断するには、肺炎や心臓喘息など喘鳴や咳の原因となる他の病気がないことを確認することが大切です。そのために血液検査や胸部レントゲン検査が必要になります。また、喘息による炎症を調べるのに、血液検査で好酸球数を調べたり、喀痰の中の炎症細胞を調べたり、呼気中の一酸化窒素ガス量を計ったりします。
呼吸機能検査(スパイロメーター)は、喘息の診断や治療の評価に必要な検査です。喘息では、気管支拡張薬で呼吸機能がよくなるのが特徴です。薬を吸入する前後で呼吸機能検査を行います。
当院では、昨年から一酸化窒素ガス分析装置を導入しました。画面がユーモラスで、ゲーム感覚で出来る検査です。呼吸機能検査とちがい、あまり頑張らずに出来る検査なので皆様に好評のようです。

どのように治療しますか?
炎症をコントロールするため、比較的長い期間治療が必要になります。また、喘息発作(呼吸苦、喘鳴や咳など)が生じた際には、その都度、薬を追加する必要があります。
喘息を長期間コントロールする目的でステロイド吸入薬を使用します。炎症を起こしている局所で効き全身の副作用が生じにくいため、ステロイド吸入薬は世界中で使われています。喘息の症状が完全におさまるまで数週から数カ月間、吸入を続けます。治療を中止する場合も、喘息の再発を予防するには段階的に薬を減らしていく必要があります。また、ステロイド吸入薬の他に、病状に応じて抗アレルギー薬、気管支拡張薬や咳止めも併用します。
喘息発作(呼吸苦、喘鳴や咳など)が生じた場合には短時間作用型β2刺激薬を使用します。
季節の変わり目や、風邪をひいた後などに咳が長引く際は、喘息の可能性があります。気軽にご相談ください。
どのような検査が必要ですか?
まず気管支喘息を診断するには、肺炎や心臓喘息など喘鳴や咳の原因となる他の病気がないことを確認することが大切です。そのために血液検査や胸部レントゲン検査が必要になります。また、喘息による炎症を調べるのに、血液検査で好酸球数を調べたり、喀痰の中の炎症細胞を調べたり、呼気中の一酸化窒素ガス量を計ったりします。
呼吸機能検査(スパイロメーター)は、喘息の診断や治療の評価に必要な検査です。喘息では、気管支拡張薬で呼吸機能がよくなるのが特徴です。薬を吸入する前後で呼吸機能検査を行います。
当院では、昨年から一酸化窒素ガス分析装置を導入しました。画面がユーモラスで、ゲーム感覚で出来る検査です。呼吸機能検査とちがい、あまり頑張らずに出来る検査なので皆様に好評のようです。

どのように治療しますか?
炎症をコントロールするため、比較的長い期間治療が必要になります。また、喘息発作(呼吸苦、喘鳴や咳など)が生じた際には、その都度、薬を追加する必要があります。
喘息を長期間コントロールする目的でステロイド吸入薬を使用します。炎症を起こしている局所で効き全身の副作用が生じにくいため、ステロイド吸入薬は世界中で使われています。喘息の症状が完全におさまるまで数週から数カ月間、吸入を続けます。治療を中止する場合も、喘息の再発を予防するには段階的に薬を減らしていく必要があります。また、ステロイド吸入薬の他に、病状に応じて抗アレルギー薬、気管支拡張薬や咳止めも併用します。
喘息発作(呼吸苦、喘鳴や咳など)が生じた場合には短時間作用型β2刺激薬を使用します。
季節の変わり目や、風邪をひいた後などに咳が長引く際は、喘息の可能性があります。気軽にご相談ください。
気管支喘息
2016.09.05
最近、急に寒くなったり台風が上陸したりと気候が不安定ですね。皆様、お変わりありませんでしょうか。先日、小学生の娘に秋はいつからなのかと聞かれました。「蝉が鳴いている間が夏で、コオロギが鳴き始めたら秋だよ。」と教えました。私達、医師も病の流行りで季節を感じることがあります。夏から秋など、季節の変わり目に発症する病気に喘息があります。最近、喘息による咳が増えているようです。今回は喘息についてまとめてみました。
喘息とはどのような病気ですか?
息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたり、咳が出たりする病気です。咳以外の症状がない、「咳喘息」というものもあります。気道が炎症を起こすことにより生じ、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
どのような人がなりやすいですか?
体質による影響があります。親が気管支喘息の場合、そうでない人と比べて3〜5倍程度、喘息になりやすいです。アトピー体質の方や肥満がある方はリスクがあります。子供では男児の方が多いですが、10歳以降では男女とも変わりありません。
その他、環境の影響も受けます。室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉などのアレルギーが喘息の原因になります。乳幼児期のライノウイルス、RSウイルスや細菌による気道感染も喘息の原因として知られています。その他、大気汚染や喫煙も喘息の原因です。
子供の病気ではないのですか?
これはよく聞かれる質問です。表に示したように、子供のころに発症し成長に従い改善する方(小児喘息)と、成人してから発症する方がいます。

どのようなことで悪くなりますか?
以下のようなものが誘因として知られています。
(1)呼吸器感染症
ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなど
(2)アレルゲン
室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉など
(3)運動や過換気
運動による喘息を予防するには準備運動がよいとされています。それでも予防できない場合、運動前に投薬する必要があります。
(4)気象
曇天、台風や気温の急激な変化など。前日と比較して3℃以上気温が下がると発作が増えるとの報告があります。
(5)薬
成人で喘息をお持ちの方の10人から20人に一人はアスピリンなどの消炎鎮痛剤で喘息が誘発されます。
(6)食品やアルコール
アレルギー物質を含む食品やアルコールを摂取することで、喘息が誘発されることがあります。
(7)刺激物質
タバコの煙、線香、焚き火、花火、煙、二酸化硫黄(大気汚染、火山や温泉)が喘息の誘因として知られています。
(8)ストレス
疲労や精神的ストレスも喘息の原因になります。
検査や治療については次回、紹介したいと思います。
喘息とはどのような病気ですか?
息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたり、咳が出たりする病気です。咳以外の症状がない、「咳喘息」というものもあります。気道が炎症を起こすことにより生じ、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
どのような人がなりやすいですか?
体質による影響があります。親が気管支喘息の場合、そうでない人と比べて3〜5倍程度、喘息になりやすいです。アトピー体質の方や肥満がある方はリスクがあります。子供では男児の方が多いですが、10歳以降では男女とも変わりありません。
その他、環境の影響も受けます。室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉などのアレルギーが喘息の原因になります。乳幼児期のライノウイルス、RSウイルスや細菌による気道感染も喘息の原因として知られています。その他、大気汚染や喫煙も喘息の原因です。
子供の病気ではないのですか?
これはよく聞かれる質問です。表に示したように、子供のころに発症し成長に従い改善する方(小児喘息)と、成人してから発症する方がいます。

(平成26年度厚生労働省患者調査より)
どのようなことで悪くなりますか?
以下のようなものが誘因として知られています。
(1)呼吸器感染症
ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなど
(2)アレルゲン
室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉など
(3)運動や過換気
運動による喘息を予防するには準備運動がよいとされています。それでも予防できない場合、運動前に投薬する必要があります。
(4)気象
曇天、台風や気温の急激な変化など。前日と比較して3℃以上気温が下がると発作が増えるとの報告があります。
(5)薬
成人で喘息をお持ちの方の10人から20人に一人はアスピリンなどの消炎鎮痛剤で喘息が誘発されます。
(6)食品やアルコール
アレルギー物質を含む食品やアルコールを摂取することで、喘息が誘発されることがあります。
(7)刺激物質
タバコの煙、線香、焚き火、花火、煙、二酸化硫黄(大気汚染、火山や温泉)が喘息の誘因として知られています。
(8)ストレス
疲労や精神的ストレスも喘息の原因になります。
検査や治療については次回、紹介したいと思います。